

大学受験問題の中身が変わることにより、中等教育も変わっていくだろうことは想像に難くない。いままでのように記憶、ドリル型の生徒を製造していたのでは、研究者、高級技術者養成大学の入試に敗北してしまうからである。難関大学に生徒を送り出せないのである。当然、高等学校や中学校では学習指導の方向が変わってくるはずだ。第二次ベビーブームが残した爪あと、すなわち教科の本質よりも正解発見に偏った学習指導を、再びかつてのような本質的理解の授業に戻すベクトルが働くこととなるであろう。もちろんその時に教師の質こそが問われることになるのは言うまでもない。これからの教師には今までにない力が必要になってくるのである。
個別指導塾を選ぶことは、実はエステ選びと同じなのです。たとえば大手有名個別指導塾の場合では、まずけっこうな額の入学金がかかります。教材費や諸経費などを含めて二十万円という個別指導塾すらあります。そして月々の月謝も安くはありません。彼らの決まり文句は「それだけの指導と講師がそろっていますから」。さらに大手個別指導塾に限ったことではないのが特別授業や模擬試験、休みごとの講習です。これらはたいてい別料金です。もちろん受講(受験)してあたりまえのように授業中に講師に言われますし、模擬試験は通常授業で解説や講評がされます。講習に関しては、休み明けの授業が講習を受講したことが前提となってカリキュラムが組まれますから、子どもの立場を考えると受講しないわけにはいかないものです。
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皮肉なことに、この予備校模試が一挙に全国化するきっかけとなったのが、図らずも一九七九年(昭和五四年)にスタートした共通一次試験(大学入試センター試験の前身)だったのである。つまり、全国規模で行われる共通一次試験に連動して模擬試験も全国規模化していったというわけだ。その結果、受験生は希望するならば、全国どこの大学のものでも予備校や受験産業がつくった合格可能性評価のデータを手に入れることができるようになり、大学選択の幅は以前よりも広域化することになった。さて、この共通一次試験受験後の合格可能性評価では、より多くのデータが集まらないと、より確かな合格可能性の評価ができないが、現在有力な予備校や受験産業は、全受験者の七五パーセントにあたるデータの収集に成功している。これだけのデータが集まれば、蓄積された推計技法の助けを借りて、ほぼ信頼に足る合格可能性の評価をアウトプットできるのである(ただし言うまでもないことであるが、この作業の過程で個人情報の漏洩や二次利用が決してあってはならない)。こうして予備校は、各受験生かお目当ての大学に受かるかどうかの出口情報のサポートもねんごろに行う。もちろん、そこにおけるデータの信頼度こそが重要な商品であり、次期の生徒募集につながっていくことになるのは言うまでもない。